第65回 コンサルトのTips ~コンサルト上手になりたい~

f:id:Med-Dis:20190901073042j:plain

こんにちはMed-Dis(メディス)と申します。マイナーエマージェンシーについて一緒に勉強しました。

med-dis.hatenablog.com

 本日は、コンサルトについて一緒に勉強していきましょう。

勉強前の問題

 ① 電話でのコンサルトでは

 ② コンサルトの時間に敏感になる

  1) 緊急性の高い場合

  2) 緊急性が高くないが、入院かどうか迷う場合

  3) 電話一本で恩を売る

  4) コンサルタント医が来ない場合

  5) 虎の威を借る

今日は他科へのコンサルトについて勉強してみましょう。コンサルトの内容がすっきりとまとまっており、わかりやすい文章であれば、コンサルトされる側もすごく助かると思います。一緒に勉強してみましょう。

 

65回 コンサルトのTips ~コンサルト上手になりたい~

 

本文内容は主に『Dr. 林の当直裏御法度 ER問題解決の極上 Tips90』を参考に記載しています。もちろんみなさんもご存じの方がほとんどと思いますDr. 林の名著ですね。研修医の先生はぜひ手にとってみてください。

Dr.林の当直裏御法度―ER問題解決の極上Tips90 第2版

Dr.林の当直裏御法度―ER問題解決の極上Tips90 第2版

 

① 電話でのコンサルトでは

電話コンサルの場合は労いの言葉をかけてから本題に移ります。コンサルトは緊急性があるか否か、来てほしいか否か、電話相談だけなのかを伝える。

次にSNAPPSで系統立ててコンサルトの内容を考えます。

1) Summarize the case 症例をまとめて問題点を明確にする

2) Narrow the differential 鑑別診断を上げる

3) Probe the preceptor  上級医の考えを聞く

4) Plan management 病歴・身体所見から根拠を上げる

5) Select an issue for self-directed larning 自己学習

 

② コンサルトの時間に敏感になる

 夜中に起こすと異様に機嫌が悪い専門医・上級委の先生がいます。その時に不機嫌が患者に向かったり、不当に自分に向かってきたりすると気分はよくないですね。

1) 緊急性の高い場合

緊急性の高い疾患の場合は、コンサルトの時間帯は真夜中だろうが早朝だろうがそんなことは言ってられない。自分の専門の範疇の疾患で緊急性が高い疾患の患者を前にしてなお機嫌の悪い医者は専門医失格と思えばよいとのこと。

2) 緊急性が高くないが、入院かどうか迷う場合

この場合は一緒に働く専門医の先生の好みをある程度知っている場合は、対処がしやすいので日ごろから一緒に働くときに気を付けてみておくとよいです。緊急性がそれほど高くない場合はなるべく時間帯を考慮するとよいです。真夜中は避けて早朝ぐらいがいいです。朝コンサルトを受けそれなりに診察する時間の余裕を逆算してコンサルトするとなおよいとのことです。真夜中が苦手であれば、検査結果によって判断基準を先に示してくれる場合もあります。真夜中の時間をどう、うまく避けてコンサルトできるかが当直医には重要なスキルとなります。

3) 電話一本で恩を売る

それほど緊急性が高くないのに真夜中に当直をしていない専門科(専門医)を指定した紹介状を持って患者が来た場合は、とにかく真夜中でも専門医に電話を一本入れておきます。当直医はまず電話1本して状態を説明し、「もしよろしければ今晩の入院指示は書いておきますが・・・」というと、来院する手間も省けるため専門医の先生からも感謝されます。

本文中には以下のような話し方がよいと書かれています。

「真夜中に申し訳ございません。○○科(△△先生)をご指名で紹介状を持って来院された患者様がおられます。○○の状態で入院が必要ですが、緊急性はそれほどでもないと思います。専門の先生に診ていただければ助かりますが、もしよろしければ今夜の指示は当直医の自分が書いておきますので、朝一番に診察していただければと思います。ほかに何か指示がございましたら教えてください。また、真夜中の急変時にはよろしくお願いします。」

4) コンサルタント医が来ない場合

 コンサルタントした医師が何時間も病院に来ない場合は患者に対する責任は当直医にかかってきます。その時には、コンサルトした耳管をカルテに記載し、不必要に患者を待たせず到着する予定の時間を確認し、それまでの間に対応をする必要があります。もし、それでも時間がかかるようであれば専門科の上級医を呼ぶか、その上の先生を呼ぶ必要があります。

5) 虎の威を借る

 症例によっては心不全、肺炎、脳梗塞などの入り混じった96歳女性など、どの科に入院すれば良いかわからない症例がいます。その時には絶大な権力を持つ上級医(診療部長、副院長、院長)などに相談するのも一つの手です。

「○○先生でしたら、どの科にこの患者さんを診てもらうのが最善とお考えになるのでしょうか?ご教授くださると助かります、そしてしかるべき科にお願いしたいと思います」と聞き、当該科を指名してもらいます。そして「なかなか迷う症例でしたが、○○先生が、△△科にお願いしてもらえとおっしゃるので、この患者さんをお願いできませんか」といえば丸く収まるとのこと。

 

いかがでしたか。コンサルトの時に使える表現はあったでしょうか。また、もしコンサルトを受ける側の先生がお読みになられた場合は、コンサルトしている側もできるだけ気持ちよくコンサルトできるように工夫し学んでいるということを知っていただければと思っています。

次回は『ぎんなん中毒、サバアレルギー』の勉強を行います。