第50回 CHDFの管理(第二章 CHDF) ~どうやったらいいの?~
こんにちはMed-Dis(メディス)と申します。CHDF(第一章 CHD)について一緒に勉強しました。
本日はCHDF(第二章 CHDF)について一緒に勉強していきましょう。
勉強前の問題
① CHDF 除水あり (continuous hemodiafiltration:持続的血液ろ過透析)
② CHDFによる炎症性サイトカイン除去には議論がある
救急やICUでCHDF管理となる患者さんもいることでしょう。ただ、CHDFというとMEさんに任せてそのまんまってこともあるかもしれません。なかなか、腎臓内科の先生やMEさん以外にCHDFについて勉強している人は少ないかもしれません。ただ、ICU管理でCHDFを使えることは必須であると思います。本日から何回かに分けてCHDFをしっかりと勉強してみましょう。
第50回 CHDFの管理(第二章 CHDF) ~どうやったらいいの?~
本文内容は主に『こういうことだったのか!!CHDF 小尾口邦彦 著』を参考に記載しています。CHDFについて基礎から実際の使用方法まで細かく書かれています。図も豊富で、例題もありすごくわかりやすいのでもし、興味があれば手に取ってみてください。
① CHDF 除水あり (continuous hemodiafiltration:持続的血液ろ過透析)
CHDFはCHD(除水あり)とほとんど同じです。
まず日本におけるゴールデンスタンダードの設定をいかに記します。
6, 血液ポンプ流量 100 mL/min・補液ポンプ300 mL/h、ろ液ポンプ 800 mL/h、透析液ポンプ流量 500 mL/h
補液ポンプはヘモフィルターとの接触後の補充液の供給というイメージです。脱水を補うポンプという感じです。
その他はCHD(除水あり)と変わりありません。
透析液ポンプ流量 → 拡散原理
ろ液ポンプ流量 - 透析ポンプ
流量 → ろ過原理
以上より前回の5と同じ結果になります。
【まとめ】
透析液流量が拡散原理を担う
拡散原理が担う分子クリアランスは透析流量より若干低い
ろ液ポンプ流量-透析液ポンプ流量=ろ液流量でありろ過原理が働く
小分子クリアランス=透析液流量弱+ろ液流量
中分子クリアランス=ろ液流量
② CHDFによる炎症性サイトカイン除去には議論がある
腎機能が低下した患者に持続的に行われる血液浄化をCRRT(持続的腎代替療法)とよびます。それに対して重症敗血症や重症膵炎などに対して炎症サイトカインなどを除去目的で施行するとき、「non-renal indicationとしての急性期血液浄化療法」と呼びます。こちらに関しては施設間格差があります。日本においては血液浄化を行うほうが優勢であると言われています。国際敗血症ガイドラインでは以下のように記載されています。
【国際敗血症ガイドライン2016】
腎代替療法
1,急性腎障害を伴う敗血症に対して、持続または間欠的腎代替療法を提案する。
(弱い推奨、エビデンスの質 中)
2,血行動態が不安定な敗血症患者に対して、輸液バランス管理を容易とするためにCRRTを使用することを提案する。(弱い推奨、エビデンスの質 非常に低)
3,急性腎障害を伴う敗血症患者のクレアチニン上昇や尿量減少に対して、他に透析を必要とする明確な適応がないとき腎代替療法を使用しないことを提案する。(弱い推奨、エビデンスの質 低)
エビデンスがない分、ガイドラインで強く推奨されるような文章はなく模索しながら治療するしかないというのが現状でしょうか。
以上でCHDFに関する記事を締めくくります。『こういうことだったのか!!CHDF 小尾口邦彦 著』には例題などがたくさん乗っており、図なども参考になります。ぜひ、本も手にとって勉強してみてください。私も次は血液浄化の少し詳しめの勉強をしてみようかと思っています。また、新しい記事を書かせていただくかもしれません。
ちなみに次勉強したい本は以下の本です。
次回は『抗血小板薬』について勉強をしたいと考えています。